イケメンの顔面踏んづけた結果。
「おい新藤」
その時近くの男子グループでご飯を食べていた関口が、あたし達の席までやってきた。
「今日こそ衣装の採寸すっから、絶対残っとけよな?」
「……」
完璧シカトを決め込んでいる新藤慧。
感じ悪。
「ちょっと、関口話しかけてんじゃん。返事くらいしなよ」
見かねて言うと、ギロリと怒りが宿った視線で睨まれた。
「な、何怒ってんの?意味わかんない」
「…うっせーな、俺に話しかけんじゃねーよカス」
苛々したように机を蹴飛ばして立ち上がり、カバンを持って歩き出す新藤慧。
「おい何だよ慧、帰るのか?」
杉本葵がムシャムシャ口を動かしながら呑気な声でそう聞くと
「撮影だよ」
ぶっきら棒にそれだけ言って、教室から出て行った。