イケメンの顔面踏んづけた結果。





「そっか」



「うん、だから関口は何にも悪くないし、全然気にしないで!」




ふ、と窓の外に視線をうつす。




グラウンドを駆け回ってるサッカー部。そのさらに向こうでしごかれているのは野球部。



サッカー部と野球部は部活の中でも特に厳しいから、学園祭の準備期間もふつうに練習してる。





「…あの、さ」



「うん」




なんだか真剣な声色の関口。




「こないだの話の続きなんだけど」




そして立ち止まるから、あたしも同じように立ち止まって、向かい合う。




「俺さ、岡のこと…」



「邪魔」





振り向くと、いつの間にかすぐ後ろに新藤慧が立っていた。





「は?いつからいたの?」



「うるせーな、廊下ふさいでんじゃねーよ」




不機嫌そうに顔を歪めて、あたしと関口の真ん中を引き裂くように歩いていく奴。




そして。




少し歩いて、振り向いた。





「おいブス。お前、もう俺の奴隷クビな」





…は?




唖然とするあたしに、新藤慧は更に続ける。







「クビだから。

…もう二度と俺に近づくな」








< 129 / 290 >

この作品をシェア

pagetop