イケメンの顔面踏んづけた結果。
「…なんだ、来たのか」
「あぁ、父に用があってな」
新藤慧にどことなく似てるお兄さんは、チラリと横目であたしを見た。
…その、どこか冷たくて鋭い瞳は
お父さんによく似てる。
「…また、彼女も一緒だったのか」
「またってほどでもねーよ、二回目だろ」
睨み合う新藤慧とお兄さん。
ま、また不穏な空気が…
「…いいか、慧。お前が何をしようがお前の勝手だ。だがな、」
そこで言葉を切って、あたしを見据えると
「父の迷惑になる行動だけはするな」
それだけ言って、横をすり抜けていった。
「…綺麗事言いやがって」
スーツをビシッと着こなした、その背中を睨みつける新藤慧。
「お前が一番アイツを恨んでんだろーが…」