イケメンの顔面踏んづけた結果。




「言っときますけど安全ですから」



「ふーん、どうだか?」



ハッと鼻で笑う奴。



「そんなこと言ってさー、慧も食べたいならそう言えばいいじゃん?♪」



笑いながら新藤慧の肩に肘をのせる杉本葵。




「そんなんじゃねーよ!!」



新藤慧はそれを乱暴に振り払うと



「誰が食うか!こんなマズそんなもん!!」



お弁当をビシッと指差してそう言った。




…ほんとに失礼!コイツ!




「別にあんたに食べさせるために作ったんじゃないしいいでしょ!?」



「うっせーな黙れブス」



「そっちが黙れカス!!」



「カス!?」



大袈裟に目を見開いた新藤慧が、ガタッと椅子から立ち上がる。




「てめぇ…よくこの俺様にそんなことを」



「誰が俺様だよ、たかが高校3年生だろ、バーカ」



「うるせぇドブス!!」



「“ド”をつけんな!!」




こいつと食べるとせっかく作ってきたお弁当がまずくなる!!




「きみちん!悪いけどやっぱ一人で食べるから!!」




あたしは新藤慧を睨み付けたままそう言うと、食べかけのお弁当を持って急いでその場を退散した。




あんな奴と食べるくらいなら
一人の方がずーっとマシ!!!






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