イケメンの顔面踏んづけた結果。
「………」
「………」
気まずい沈黙があたし達を包む。
その沈黙を破ったのは、それまで黙ってあたし達のやり取りを見ていた関口だった。
「じゃーさ、岡」
関口がゆっくりと椅子から立ち上がって
あたしの隣に並ぶ。
「今日は俺とデートしよっか」
「…え?」
デートって…
戸惑うあたしに、関口はニカッと笑って
「駅前のクレープ奢るから」
駅前のクレープ!?
「行く」
「おい!」
即答したあたしに、不機嫌そうな声をあげたのは新藤慧。
「何?」
「何?じゃねーよ、二人で行くのか?」
「当たり前だろ?」
関口が一歩、新藤慧に近づいて
「だって新藤も今日の放課後、女子と二人で会うんだろ?」
「…それは」
「だったら岡も俺と二人で会っても文句ないよな?」
……眉間に深い皺を刻んだまま、関口を睨む新藤慧。
そしてその視線を一瞬、あたしにうつすと
「…勝手にしろ」
吐き捨てるようにそう言ってあたしに背を向けた。
「…っ勝手にするよ!バカ!!」