イケメンの顔面踏んづけた結果。




「…な、なにを言ってるんだ君はっ…!」



麗華さんのお父さんが立ち上がるのよりも早く




「走れ!!」




新藤慧があたしの腕をつかんで走り出す。




「待てこら小僧ぉー!!!」



そんな鬼のような声が追ってきたけど、振り向くことはなく。



お店を出て、駅前の街を走って走って走って




「ちょっ…も、無理!ストップ!!!」




運動不足のあたしは死にそうだ。





「…なんだよ?体力ねーなぁ、お前」




同じく帰宅部のはずの新藤慧はめちゃくちゃ余裕そう。



なにこの体力の差!?





…ていうか。




「…つーかお前…まさかあそこまで来るとは思わなかった」



「…うっさい…」




ていうか。




「…つーかそのカッコ、パジャマか?」



「うっさい!」




ていうか。





「す、すす好きな女って…



…いい加減なこと言わないでよ」







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