イケメンの顔面踏んづけた結果。




「…あたしだって…別に好きで隣にいるわけじゃありませんけど」



「…は?何か言った?」




明らか見下したようにそう聞き返してくる菫。




「だから、あたしだって好きでこんな所にいるんじゃないっつってんの!!」




あたしの声が会場中に響き渡った。



でもヒートアップしてきたあたしはそんな事にも気づかずに続ける。





「あたしだって絶対場違いだしこんな所来たくなかったよ!でもこの俺様顔だけ野郎に無理矢理引っ張ってこられたの!!」




「な…俺様顔だけ野郎…ですって!?」




信じられない、とでもいうように口をパクパクさせる菫。





「…もしかして、それは慧のことを言ってるの!?」




は?当たり前だろ性格ブス!!




「それしかいないでしょーが!!」



「な、何なのあなた!?そんなこと言って許されるとでも…!!」



「許されるも何もホントのことなんだから仕方ないでしょ!?
毒舌だしわがままだし自己中だし、人にジュース買いに行かせる…し…」




そこでやっと、周りの異様な気配になんとなく気付いたあたし。





…ゆっくり周りを見渡すと、皆口をあんぐり開けてあたしを見ていた。




目の前には顔を真っ赤にしてブルブル震えている菫と





「…テメェ…」




隣には片頬を引き攣らせている新藤慧。






…や



やってしまったー!!!!!!






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