イケメンの顔面踏んづけた結果。
「つーかどこまで歩くんだよブス、もう家だぞ」
それからいつも通りのくだらない喧嘩をしていると、新藤慧が突然足を止めた。
え、と周りを見渡せば
いつのまにやら
自分ちの前。
「え、うそ!?いつの間に!?」
「じゃーなブス」
あたしがそんな声をあげるのと同時に、クルリと踵を返してスタスタ歩いていく新藤慧。
…え?まさか
「送ってくれたの!?!?」
「んなわけねーだろ!!!」
すごい勢いで振り向いた新藤慧が、怒鳴るようにそう言った。
「え?でも駅逆方向だよね?」
「……夜中突然ブサイクが歩いてきたら道行く人がビックリするだろーがブサイク!ボランティアだブサイク!!」
そして唖然とするあたしを前に早口でブサイクを連呼し、風のように去って行く。
…そういえば前回もなんだかんだ言って送ってくれたよね。
普段はあんなにムカつくのに。
うーん…新藤慧って
謎だ。