ZERO 深淵が謡うセレナーデ
「うん、そうだよ、ボクはこの国の生まれじゃないから」
やっぱり、と思う。彼女の服装はともかく、あの銀色が混じったような瞳は日本人にしては変だと思っていたから外人かハーフだと考えていた。
「ミシャさんって自分の事ボクって言うんだ、珍しいね」
「小さい頃からボクって言ってたから・・・・・・・・変かな?」
「ううん、そんなことないよ」
なんだこれは、なんで僕が照れなきゃならないんだ。しかも今さっき会ったばかりの女の子に。だが無理もないと思う。彼女は百人中百人が美少女と認めてもおかしくない容姿なのだ。年齢は15か16才ぐらいで僕より少し背が低く髪型もショートでまるっきり僕のタイプなのだ。
「あの・・・・鏡夜君、さっきはボクのこと助けてくれてありがとう」
「いいよお礼なんて、困っている時はお互い様っていうでしょ」
お礼を言いながらも彼女は恥ずかしそうに下を向いたままだ。
「鏡夜君って幽霊とか超能力とか信じてる?」
何故そんなこと聞くのかな?と不思議に思いながらも僕は少し考えた。
幽霊か、テレビかなんかではよく心霊写真やなんか紹介されているけど僕はイマイチ信じられない。だって今の時代パソコン一つでいくらでも作りだすことができる。でも幽霊はいない!とまでは断言できない。僕は小さい頃から少し変わっていた。別に幽霊が見えていたわけじゃない。ただ声が聞こえたのだ。
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