サヨナラのしずく
なんで俊平から離れようとしたんだろ?



俊平に依存するのが嫌だったけど、あたしはもう俊平に依存している。





「わかった。連れていってやるから、乗れよ」




あたしはバイクに股がりタクミさんの腰に腕を回した。



タクミさんバイクのエンジンをつけ発進させた。



バイクはすぐに繁華街に到着し停められた。




あたしはバイクからおり、ヘルメットを脱ぎタクミさんに返した。



タクミさんはバイクを繁華街の隅に停めたまま、歩きだした。




「どこ向かってるの?」


「シュンさんの家」


「俊平、繁華街に住んでるの?」


「知らないのか?あの人繁華街のど真ん中に住んでんだよ」




繁華街のど真ん中?





< 135 / 358 >

この作品をシェア

pagetop