サヨナラのしずく
「お前、なにしてんだ?」


「援交」




冷静に答えたあたしに俊平の表情はさらに険しくなった。




「腕離して」




そう言ったのに俊平は離すどころかさらに力を入れた。




「痛いから離して」





俊平は腕を離さずにあたしからサラリーマンへと視線を移した。




と言うよりも、ものすごい顔で睨み付けてる。



ただそれだけなのに恐怖を覚える。




「あぁ、あの、えっと、俺…」




サラリーマンの男は怖じけづいたのか、ホテルから出ていってしまった。



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