サヨナラのしずく
ホテル街に入ると、男はどのホテルがいいかと聞いてきた。



でもホテルなんてどこでもいい。




「どこでもいいです」


「じゃ、ここにしようか」


「はい」




そう言って、男のあとについてホテルに入ろうとした時、誰かに腕を掴まれた。



いきなりの出来事に驚き振り替えると、あたしを睨む俊平がいた。




「なにしてんだ?」




この状況でこんなことを聞いてくるなんて。





「え?ちょ、なに?マリちゃん、えっと…」




サラリーマンの男は慌てた様子でなに言っているのかいまいち分からない。





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