サヨナラのしずく
「やるから、ずっとつけとけ」


「うん、わかった」




あたしは俊平のネックを自分の首につけた。



やっぱりメンズものだけあってちょっと重い。



「どう?似合う?」


「似合わねぇ」




俊平のネックはシルバーで鎖が絡まったみたいなデザインになっていて、女のあたしにはお世辞にも似合わない。



それでも女ものの可愛いネックレスを貰うより嬉しかった。




「似合わねぇって言ったのに嬉しそうだな」


「うん、嬉しい」




そう言ったあたしの頭を俊平は優しく撫でる。



あたしはいつの間にか、撫でられるのが好きになった。



安心するって言うか、気持ちいい。





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