サヨナラのしずく
久しぶりに帰ってきた自分の部屋は何も変わって居なかった。



あたしはまたここで一人で暮らしていくんだ。



ひとりぼっちに戻ったんだと思ったら、どうしようもなく寂しくなった。



俊平と出会う前ならここまでひとりぼっちが嫌だとは思っていなかった。



仕方ないって思っていた。


なのに俊平に出会ってしまったから…。



出会わなかったらよかったのかもしれない。



そうしたらここまで寂しく思うこともなかった。



だけど、俊平と出会えたことは奇跡だと思ったんだ。



一生ひとりぼっちだと思っていたあたしの人生に奇跡が起こったんだと本気で思ったんだ。





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