サヨナラのしずく

「タクミさん、ありがとう」



あたしがそう言うと、タクミさんの腕が伸びてきてギュッと抱き寄せられた。




「タクミさん、お酒くさいよ」




それに呼吸もいつもより荒くて、心臓の音も聞こえてくる。



タクミさんかなり飲んでたから仕方ないんだろうけど。



タクミさんはすぐに寝息をたてて寝てしまった。



あっという間にお正月はすぎて、あたしはタクミさんについて椿連合の集まりに顔を出すようになった。



そして、今日はユウカさんとショッピングの約束をしていて出かける支度をしていた。





「何悩んでんだよ？まるで初めてデート行くみたいだな」




全身鏡の前で着ていく服を選んでいるあたしに向かってタクミさんが言ってきた。