サヨナラのしずく
なんとなくだけどあたしにも理解できた。



銀桜っていうチームを昔に俊平が潰して、その仕返しにタクミさんがやられたってこと?




「ユウカもしばらく気をつけろよ」



「うん」





こんな会話を聞いていると、あたしはとんでもない世界にいるんだと思った。



今までいろんな話を聞いてきたけど、こんなに身近に感じたことはなかった。




しばらくすると、タクミさんは処置室から出てきた。



顔は傷だらけで腫れ上がっていて、頭には包帯が巻かれていた。




「お兄ちゃん、大丈夫?」


「ああ、大丈夫だ。心配かけたな。雫も」




あたしはタクミさんの顔をまともみ見ることができなかった。



怖かった。



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