サヨナラのしずく
いつまでもタクミさんに甘えていてはいけないってわかっているのに。



でも、もう少しタクミさんと一緒にいたいと思ってしまう。



ご飯も食べるようになったし、笑えるようにもなった。



もう泣いて辛いだけだったあたしではない。



あたしが元気になったらタクミさんはいなくなるのもわかっている。



だけど…。




「…あたしは……」


「うん」


「ごめん…わからない」





結局タクミさんの問いに答えることはできなかった。




「だけど、あたしと俊平はもう終わったんだ」




あたしはタクミさんがどうしていきなりこんなことを聞いたのか全くわかっていなかった。



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