サヨナラのしずく
あたしは椿連合に全く関係ない立場だし、ユウカさんみたいに内部情報も知らない。



俊平が現役の時に付き合っていたのならもっと知っていたかもしれないけど。



あたしと出会ったとき俊平はもう椿連合を引退していた。



だからあたしには椿連合で何が起こっているのかわからなかった。



タクミさんは忙しそうにしていたけど、あたしは何にも感じとることができなかった。





「なぁ…シュンさんとこに戻る気ねぇの?」




いきなりだった。



一緒寝るベッドの上でタクミさんが初めて俊平の話をしてきた。





「別に戻れって言ってるわけじゃねぇけど、ほんとんとこ雫はどう思ってんのかなってな」




俊平のことは深く考えないようにしていた。



逃げていて、タクミさんの優しさにただ甘えていた。




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