サヨナラのしずく
ユウカさんの話によると、タクミさんは警察署にいるらしくてあたしにも来るようにと場所を教えてくれて電話を切った。



だけど、あたしは家から出なかった。



だって、タクミさんが死んだなんて嘘だよ。



待っていたら帰ってきてくれる。




そして、あたしに“飯食ったか?”って聞いてくれるんだ。




だからあたしは待つんだ。



それからひたすらあたしはタクミさんを待っていた。



何時間たったのかわからない。




すると、インターホンがなってあたしは急いで玄関をあけた。



タクミさんが帰ってきたんだと期待してあけたのに、立っていたのはユウカさんだった。




「雫さん!」





< 284 / 358 >

この作品をシェア

pagetop