サヨナラのしずく
まだベッドで息を整えるあたしを見下ろしてくる俊平。



あたしは俊平の顔を見られなくて視線を反らした。




「……雫」




俊平が掠れた声であたしの名前を呼ぶ。



すると、身体中が熱をもったように熱くなった。




だけど、心は冷えきっていた。



あたし何やってんだろ?





流されて…こんなことしちゃうなんて。




「……会いたかった」






俊平はそう言って、あたしの横に寝転んできた。




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