サヨナラのしずく
「食べないといけねぇって?どっか悪いのか?」


「ちゃんと食べないとタクミさんが心配するから」




あたしがそう言うと俊平はもう何も言ってこなくなった。



あたしは家に帰りちゃんとご飯を食べた。



だけど、すぐに吐いてしまった。




それから数日、あたしはちゃんとご飯は食べていたけど全部吐き出してしまっていた。



吐くのは苦しいけど、それでもちゃんと食べた。



食べることがタクミさんに出来る唯一のことだと思ったから。



あたしは本当に最低な人間なんだ。



自分でも自分が大嫌い。



ほんと嫌になる。





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