サヨナラのしずく
しばらく沈黙が続き、俊平はタバコを取り出した。




「ここ、病院だよ」


「ああ、そうだな」



そう言って、俊平はタバコをポケットにしまった。




「入院してるのって母親か?少し前にニュースになってたよな」


「うん」


「大丈夫なのか?」


「あと何日もつかわからない」




あたしは首を左右に振りながら答えた。




「俺が聞いてんのはお前のことだ」


「えっ?」


「大丈夫なのか?」


「何が?」




あたしはどこも悪くない。


ご飯もちゃんと食べてるし、吐いたりもしなくなった。




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