サヨナラのしずく
「そうか。なんかお前変わったな」


「えっ?」


「どこがとか言えねぇけど、柔らかくなった」


「なにそれ?」




自分では変わっていないと思う。



だけど、ひとつだけ変わっていてくれるなら、人の気持ちを考えられる人に変わっていたい。




「ニュース見たときから心配してたけど、俺は用無しだな」




やっぱり、俊平は心配してくれてるんだ。



だけど、もう心配なんてしないでほしい。




「あたしは大丈夫。だからさ…」




今から口にする言葉を俊平はどう思うだろう?



あたしは言ってしまえば後悔するかもしれない。



だけど、もうあたしたちはけじめをつけるべきなんだ。





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