サヨナラのしずく
「これ、ずっとつけてたのか?」




俊平と付き合っていたときにもらったものだ。



俊平の女だという印につけていろと言われてつけたネックレス。




「うん」




外そうと思ったことは何度もあった。



だけど、外せなかった。




「お前のこと守ってやるって言ったのに傷付けて悪かった」


「……俊平」


「ん?」




あたしは目をギュッと閉じた。



言っちゃいけない言葉なのかもしれない。



俊平を苦しめることになって、後で後悔するかもしれない。



だけど…もう我慢できないよ…。




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