サヨナラのしずく
あたしは男の言葉でナイフを振り回していた男の横を通ろうとしていたことを知った。




家に帰ることしか考えてなかったから、あぶないとか考えてなかった。




って言うことは、背中を押されたのはあたしを助けようとしてなのかな?



そういえば、押される寸前誰かの『あぶねぇ』って叫び声が聞こえたきがする。



まさかあたしに向けられていたとは思わなかったけど。





「怪我したのか?」


「…………」




男はあたしの膝に視線を向け聞いてきた。





「歩けるか?ちょっと着いてこい」




男はあたしの左手首を掴んで歩き出した。




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