サヨナラのしずく
「それで夏休みに入る何日か前…あ、俊平に電話かけた日なんだけど、クラスの男子たちがそこにやってきて……」




言葉につまってしまったあたしを俊平は急かすことなくただ黙ってあたしを見ていた。




「あいつらあたしを襲おうとした」




横に座る俊平の腕があたしの肩をグッと抱き寄せる。



こんな話をしているせいか俊平にすらビクっとしてしまったけれど、俊平の肩に頭を乗せられると涙が出てきた。



泣きたくなかったのに。



それなのに俊平の体温が温かくて安心したのか涙が流れてきた。




「大丈夫だ。そいつらをもう2度とお前の前に顔だせねぇようにしてやる」


「うん」





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