サヨナラのしずく
それからしばらく涙を流していたあたしを俊平はぎゅっと抱き締めてくれていた。



どうして俊平がこんなに優しいのかはわからないけど、あたしが俊平に心をひらいた理由はわかる。



あたしは俊平が好きだ。



この優しくて温かい手を持っている俊平を好きになってしまった。



でもこの気持ちは自分の心の奥に閉まっておこう。



俊平を失いたくないから。



彼女がいたってかまわない。



こうやって優しくあたしをぎゅってしてくれるのなら。





「その男たちの名前わかるか?」


「え?」


「落とし前つけさせねぇとな」





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