サヨナラのしずく
俊平がそういうと大丈夫な気がする。



こんなに誰かを信用できるのはいつ以来だろう。



裏切られてまた寂しい思いをするかもしれないけど、もう誰も信じずにひとりでいるのは嫌だ。




「せっかくだから泊まっていくか?」


「えっ?」




ラブホっぽくない部屋だけどラブホなわけだし。



入るときは抵抗感がなかったのにな。




「嫌ならいい」


「嫌じゃないけど、何もしない?」




俊平のことは好きだけど、他に彼女がいる人に抱かれたくない。



それに、そうなってしまったらこの優しさも体目当てに思ってしまいそうだし。




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