溺愛王子とヒミツな同居
次の日の昼休み。
昼飯を買おうとしていた悠二を捕まえ、人気の少ない校舎裏に連れていく。
「あー、今日は何ていい天気なんだろうな」
「話はぐらかそうとしたって無駄だぞ、おっさん」
「誰がおっさんだ。俺はまだピチピチの20代だぞ。
なんて失礼な生徒だ」
「急に真面目ぶっても、化けの皮剥がれてんだから無意味な芝居はやめろ」
俺に捕獲された理由が痛いほどわかってるだけに、それには触れたくないというのが悠二の本音なんだと思う。
でも、それじゃこっちが迷惑被るし、何とかしてもらわないと困るんだよ。
「俺のお茶目なトークを簡単にあしらうなんて可愛くない奴め。光ならすぐにノッてくれるのにな~。
で……あいつ、お前んとこに転がりこんだだろ。
悪いな、バカな弟が迷惑かけて」
階段に腰を下ろし、申し訳なさそうに謝ってきた。