溺愛王子とヒミツな同居
低い声で言った俺に対して「勘弁してくれよ」と一言。
「ていうか、お前今日やたらとカリカリしてるように見えるんだけど、何かあったのか?」
無神経に俺のイライラの原因を探ろうとしてくる悠二。
「あ? 誰のせいでこうなってると思ってんだ」
「あ~。あはは、そういうことね」
理由を言わなくても、その原因が自分の弟にあることを知ってる悠二は渋い顔を見せてから、がっくりとうな垂れた。
「とにかく、早めに許してやれ」
「あー、ハイハイ。ご忠告とご報告どうも」
後ろ手に手を振り、悠二と別れるとその足で自分のクラスへと戻ってきた。
昼放課のせいか、教室にいる生徒はまばら。
「今日こそデートしてね」
「う~ん、困ったなぁ。恵ちゃんにも誘われちゃってるし」
声がする方を見ると、俺の席に光が我が物顔で座っていた。
その周りには、数人の女が光を囲うように並んでいる。