記憶トリップ
現在


ハッ!?


意識が戻るとそこは居酒屋だった。


「戻ってきたのか…一体なんだったんだ…。」


「お目覚めかね?青年。」


俺の席の隣には、先ほど唐突に話しかけてきた白髭を生やした50歳くらいの男がいた。


「!?お前、俺にいったい何をしたんだ?」


「何もしてないさ。ただ、君もやればできるじゃないか。私に言えることはここまでだ。現実
を頑張って生きたまえ、青年。」


その男はそれだけ言うと席を立ち去って行った。


「一体なんなんだよあのおっさんは………。」


まぁいいか、おかげでいい夢も見れたことだし…。


「おじさん、ビール一つください。」


と、先ほどおっさんがいた席に客が来たのか、女の人の声が聞こえた。


「あいよ、お客さん。お一人で飲みに来たのかい?」


「そうなのよ~、残業が長引いちゃって一緒に飲んでくれる人が帰っちゃたのよね~。」


この声は…………!?


「スズ!?」


そんな俺の声を聞いた隣の席の女の人は目を丸くして俺を見た。


「ジュン…?」






夢の中だけでなく、俺は現実でもちゃんと生きていかなければいけない。


時には過去を振り返ってもいい。だけど、見ることが出来るのはいつだって現在だ。


だから俺は、この先何があろうと、下を向かずに前を向いて生きるよ。


自分の色を、探すって決めたから。
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