糖度∞%の愛【改訂版】

その言葉に対する反応は、様々だ。

“IDDM”という聞いたことのない言葉に不信感を持って、そのあと連絡がだんだん途絶えていく人。このタイプの人は、もうそこから関係を修復するのは難しくて、すぐ別れてしまうパターンだ。

そして、“IDDM”という意味を、ちゃんと知ろうとしてくれる人。
このタイプの人は、すぐに別れることはない。“どんな私でも好きだ”と言って、私を受け入れようとしてくれる。

けれど、実際の私を見て、耐えられなくなって“ごめん”と離れていってしまう。

それは仕方がないことだと割り切れるようにもなった。だって私にとっての“当たり前”が、普通の人にとっては当たり前じゃないのだから。誰だって、非日常のことは受け入れられない。
高校生のときは、“どうしてわかってくれないの”“なんで私はこうなの”と、親に八つ当たりをしたりした。けれど、親の悲しそうな顔を見るたびに、それは親にとってはとても残酷なことを言っていたのだと、思い知った。

だからこそ、割り切れるようになったのだ。そうじゃないと、恋なんてできないから。恋することすら諦めてしまったら、それこそ両親に心配をかけてしまうから。

幸いなことに、相手には事欠かなかった。別れたあと、それほど期間を置かずに告白されるのだ。
それが私の内面に惹かれたからじゃなくて、私の容姿に惹かれたからだということも、ちゃんと理解していた。自分の容姿は、自分でよく分かっている。

“可愛くなんてないです”なんて、謙遜するつもりもないし、かといって“私以上に綺麗な人はいない”なんて驕るつもりもない。
誰だって、整った顔立ちに惹かれるものだ。内面を知らずに告白してくるのも、“あぁ、若いなぁ”と思えるくらいの年になった。けれど、依然として私の秘密を、丸ごと受け止めてくれた人はいなかった。

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