ゴッドネス・ティア
「とにかく、国王騎士って偉い人達なんだね!こんなところで偶然出会っちゃうなんて凄いね!!」



よくわからなくて会話に入れなかったアランだが、話の内容を聞いてなんとなくわかったらしい。


とにかく凄いのだと興奮してリュンマの周りをぴょんぴょん跳びはねる。



「ですねですねぇ!!」



ヒサノもアランの後を追いかけるように軽やかに駆ける。


俺はこいつらと関係ない、とレオナは一歩身を退いた。








「あ、そういえばおまえ等旅人だろ?
旅の最中に四人組の旅人見なかったか?探しているのだが…」



ふと思い付いたように香月が口を開く。



「旅人の四人組だけじゃわかんねぇよ、そんなの世界中には腐る程いるからな」



「そうか…、確か10くらいの少年に、長身の成人男性、華奢な金髪少女に…あと………っ?!」



言葉の最中に香月がハッと目を見開いた。


思い付いたというか…驚いているというか…そんな表情だ。



「あと…、なんだ?」



「…赤い髪の少年」



赤い髪の少年…?


そんな滅多に見ない…いや、自分しか見たことない髪色の少年なんて…



「10くらいの少年、長身の成人男性、華奢な金髪少女、…そして赤い髪の少年…」








香月は珍しい髪色の彼を見据えた。






「はじめまして、皆さん、私達は国王国家女五大騎士団。
教皇ファン様からの命を受けてあなた達を護衛することになりました」



さっきまでの男言葉とは違って、香月は真顔で一礼した。


つられてリュンマ、シャランも規則正しく礼をする。








レオナ達は訳がわからず顔をしかめた。


香月の口からファンという単語が発せられ、疑う気持ちが薄れる。











「…どうやら、行動を共にした方がよさそうだな」



「スノーリア…?」



「国王騎士というのは本当らしいからな、騎士様を疑うことはないだろう」



「ふ〜ん…」





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