ゴッドネス・ティア
久しぶりにあいつから分けてもらった力を解放した。


あいつの血はおもしろいことに様々な力が使える。


俺は風の属性が一番この体に合っているみたいだ。


なかなか扱いやすい。


久しぶりだから少し訛っているいたいだが…


この女共を片付けるには充分だ……










「………もう終わり?」



スーは不敵に笑みを浮かべた。

肩から流れる血は留まる傾向がないが、それをものともせずスーは余裕釈々に華蓮の長剣を軽やかに回す。



「……おまえのその力は…やはり…!!」



スーの視線の先にはいまだなんとか無傷のサロナが蛇のような目でスーを睨めつけていた。


勢いはいいが、確実に息があがり、うねうねとサロナとスーの間を行き来する木の根っこ達にもだんだんと覇気がなくなってきた。


そんな彼女を眺めて、スーは笑みを深くした。



「へぇ…力の見分けがつくんだ…さすがだね、長。
俺も長年魔術や法術、聖術他にも多々術の勉強をしてきたけどいまだ感覚での区別は微かにしかできないんだ。
あんたにはわかるのか?
……この力が」



そう言うと、不思議な力が集中している彼の右手にまたもやざわざわと風らしきものが集まってくる。


スーは大きくそれを振り上げると、またも口元に笑みをつくった。



「………チっ!ゲスが…!!」



何度も放たれたあの凄まじい力の塊。


直撃をくらうとどうなるか…


……恐ろしいな。



だが、あいつの力に比べれば足元にも及ばない。


あの力は、ただの分身だ。



サロナの口元はゆっくりと、勝ち誇ったような笑みをつくった。



「分身は分身らしく、オリジナルの墓場で泣いていろ。
あいつはあたしが殺したのだから…」





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