ゴッドネス・ティア
「そうよ!あんた何寝ぼけてんの?
なーんで私と待ち合わせしてんのにこんなところで寝てんのよ!!」


「え……だってここじゃん待ち合わせ場所…」


「普通そこは女の子を笑顔で出迎えるものよッ!!」


「えーーー……」



まったくこの女の子はよくわかんない。


四歳で、ちっちゃくてまだ手足も短いくせに自分より大人っぽい。



―――僕はだってもう五歳なのに…。



それとも四歳の女の子というのは大人びりたいお年頃なのだろうか。


五歳の自分にはよくわからなくて、ん〜…と首を捻った。



そんなまだまだ子供らしい小さなレオナをヒサノはその碧いぐりぐりとした大きな目で見ている。



「さて、レオナ。行くわよ」


「あ、ああ……うん!!」





半年前、このパオーレ村の住人に待望の赤ちゃんが生まれた。


レオナとヒサノは何度かその赤ちゃんを見に行ってそのかわいさに胸うたれたのか、暇さえあればこうして二人で赤ちゃんのところへでかけている。


村人から見れば、レオナとヒサノが一緒にいるのはいつものことで、その喧嘩を見るのも日常茶飯事。


ましてや仲良く手を繋いでいるところなんて驚きやしない。



「やぁ、こんにちはレオナちゃん、ヒサノちゃん」


「こんにちは!八百屋のおばさん!!」


「こんにちは〜…」



こう話しかけられるのも珍しくなく、ヒサノは元気よく返し、レオナはほにゃんと微笑んで、のんびりと返した。


ヒサノがレオナの手を引っ張り、リードする。


どちらか年上かわかったもんじゃない。



だが、平均的に高齢なこの村人達にとってはそれはそれはほほえましく、穏やかな気持ちにさせてくれる物だった。




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