ゴッドネス・ティア
「…これが何?」



首を傾げてスノーリアを見上げるレオナ。



「?!、こ、これは…!!」



後ろのヒサノが驚きの声をあげた。



「これは…バンクロフト教会に所属している人達だけが持てるバッチです。
ほら…私も持っています」



ポケットからバッチを取り出すヒサノ。



「私はバンクロフト教会のファンとやらの護衛を勤めたことがある。その時にもらったのだ。」



「レオナ!!スノーリアさんね、凄くかっこいいよ!!クールでカッコイイ!!!」


まるでファンクラブのようにスノーリアのまわりでキャーキャー騒ぐアラン。

しかもクールとカッコイイが同じ意味だと気付いていない。


「ほわぁ…っ教会仲間だなんて嬉しいです!でも男なんですね。男子禁制なのに…。でも、ファン様が認める方なんですからそれはそれはいいお方なのでしょうね。」


ヒサノはさも嬉しそうに微笑んだ。


「ファン様の命令ならしかたねぇな…」


「なにそれ?!レオナ嫌なの?!剣もかなりの腕らしいよ!!」


「………自分で言ってたのか…?」


「いや…。僕がそう思ったの…。」


「いいじゃないですかレオナ!!教会仲間がいるなんて!!」


それはヒサノだけ。


その時、見知らぬ男性の叫び声が聞こえた。


「ドロボー!!血の石が盗まれたぞぉ!!ポリ公どこじゃぁ〜〜〜っっ!!」


「のあっ!!ヤッベ!早く逃げようぜっ!エルフだってばれちまう!!!」


血の石をしまおうと荷物を探す。


「ぎゃ〜!!荷物は宿だ!!」


「レオナ!荷物なら万が一のために僕がもってきた!!」


足元に転がっている三人分の荷物を指差すアラン。


「さっすがアラン!!ナイス!!」


急いで鞄に血の石を押し込む。

血の石はよく見ると血のように赤くて何故血の石と呼ばれるのかがわかった。


「レオナ!着替えないのですか?!」


「そんな時間ねぇだろヒサノ!!」


三人は増えた仲間と共に荷物を抱えて走り出した。



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