君と過ごした嘘つき時間

鞄から鍵を出すと玄関のドアを開けた。
誰もいない新築の一軒家
だから、「ただいま」も何を言わない。

「あ、おかえりー」

「………なんでいんの?」

「何で…って
明日学校休みだからかな?」

てっきり一人だと思ってたのに
何故か家には俺よりも先に
家にいたであろう奴がいた。

「あっそ」

「急に先生達の緊急会議が入ってさ。
蒼が一人寂しいだろうと思って」

ニコって笑うコイツを殴ってやりたい。

「今日はバイクで行かなかったんだ?」

「昼から雨言ってからな」

「そっかぁ。手入れは
ちゃんと今でもしてるんだね♪」

俺は無視して二階の自室へ行くために
階段を上がる。

「女の子に付き纏われてるんだって?」
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