君と過ごした嘘つき時間

うぅ~~~~~~。

バスが揺れた振動で
バランスを崩して窓に頭をぶつけてしまった。

い、痛い…。

「あー、どうしよ(あわあわ)」

「………ドジ」

心配そうにあたふたしてる雅ちゃんとは別に
前からボソッと呟く声が聞こえた。

「天宮君っ!!!!!」

ガバッ…ってまた椅子から立ち上がったら

「しーのーはーらあああー!」

ひぃっ!!!
一番前の席からゴゴゴゴゴ…って
黒いオーラが……!

「オッサンうっせぇから座れよチビ」

「なっ!!!チビじゃないもん!」

「十分チビだろ?」

「それは天宮君が男の子だからだよー」

「いいから座れよチビ」

「あー、また言ったぁ!」


「もういいもん」って
拗ねたように腕組みして座ったあたしを
クスクスって笑う侑華やあっつー達が見えて…。

視線を逸らさず、ずっと
頬杖をついて窓の外を眺める天宮君は
相変わらずサバサバしちゃってて…



でも、そんなところも
全部ひっくるめて…好き!
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