君と過ごした嘘つき時間
「ホントに私良いから!」

「そんな事言わないで?
僕が座らせたかったの」

またまた笑顔でサラリと言ってしまう
その優しい発言する彼は
私が今座っている一人がけの席の
すぐ傍に立っている。

つまり、隣同士ってやつ?

ずっと憧れていた。

大好きな人と
一緒に登校する事を…。

今の状況が、まさにそれみたいで。
いわゆる恋人みたいな?

そして、バス降りたあとも手を繋いで…

って、ヤダッ!
私ったら何一人で妄想してるの!

一緒にバス降りるって言っても、
学校違うから!!!

しかも、そんな事一生有り得ないから。

チラッと横目で彼を見ると
丁度視線が合っちゃって

「ん?」

「ううん!なんでもない。」

誤魔化すだけで精一杯だった。
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