華ヒメゴト

3.

私と裕美を含めて同じ学部の子4人と、向かい側には男3人で乾杯した。1人遅れて来るらしい。

休日なにしてるの?好きなアーティストは?どこでバイトしてる?とか、在り来たりな話題を当たり障りなく交わし、出しゃばることなく、でも、浮かない程度にやり過ごした。

そんな時…「あっ!お前おせーぞ!」と斜め前の男が店の出入り口に向かって手を降る。「ごめん!」と、言いながら駆け寄り、私の目の前の空白だった席を埋めた。「ユウキです。遅れてすいません」私を除く女子三人がユウキさんにがっついて、盛り上がった会話を繰り広げた。(まぁ、顔は悪くなかったんだけど)

「あの、休日なにしてるんですか?」と、向かいのユウキさんに話題を振られた。「録画したドラマ見たり、買い物行ったりしてるよ。」内心、そのネタ君が居ない時に終わった。とか思いつつも答える。「俺、今、水曜日9時にしてるサスペンスドラマにはまってる!見てる?」「私もみてるよ!」あのサスペンスドラマの原作者の本が好きなんだよね!と心の中でテンションが上がった。

「俺、あの原作者の本が好きでドラマみてるんだー」「ほ、ホント?私も!」意外にも同士がいて驚きを通り越して話が合う嬉しさを感じた。

「あの作者の作品映画になってるよね!みた?」「俺、火曜日に1人でみにいく」気がつけば、今まで苦手意識を持っていた男という存在に自然と話しかけていた。「いいなー映画。」「一緒に見にいく?」ま、この人となら話し合うしいいか。

10時になって、飲み放題の時間も終わり私達の合コンは終った。帰り際に今日のメンバー全員でLINEのIDを交換した。今日初めてわたしの友達リストに男の名前が追加された。
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