王子様の危険な恋愛領域
緩いウェーブのかかった、ミルクティブラウンの髪。


光琉と同じぐらいの身長。


えっと、確か…光琉の幼なじみの優貴君だっけ。


前に、保健室の隣の部屋で会って以来だなぁ…。


その時のことを思い出していると、みるみるうちに優貴君は私たちの傍までやって来た。


「優貴が休日に外出するなんて、珍しいよな。いつも、眠いだのダルいだの言って、家にいることが多いのに。」


「ちょっと欲しかった本があったから買いに来た。これから家に帰って、ゆっくり読むつもりだよ。」


「ふーん。」


光琉は素っ気ない言葉を返す。


幼なじみなんだし、もう少しテンション上げて話せばいいのに…なんて思っていると、優貴君は私の方に視線を向けた。


「紗姫ちゃん、会うの久しぶりだよね。元気してた？」


「う、うん…。」


「相変わらず、男子の中で話題になってるよ…。今日の可愛い私服姿なんか見たら、みんなハマるだろうな。俺も、見た瞬間…心が持っていかれそうになったし。」


「えっ！？」


優貴君の言葉に瞬きを繰り返していた時、突然…光琉が私の腰に手を回して、勢いよく引き寄せた。

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