王子様の危険な恋愛領域
「紗姫。」


「な、何でしょうか…。」


あまりにも衝撃が強すぎて、言葉遣いが変になる。


心臓は破裂しそうなほどのドキドキっぷりだ。


「あの契約のことだけどさ…」


「け、契約…?」


「前に言っただろ?俺の発言を取り消す代わりに付き合うフリしろ…って。」


「うん…。」


耳元で囁かれる言葉に、小さく頷く。


「あれ、もう…今日で終わりにしよう。」


「えっ?」


「契約終了だ。」


「それって…えっと……」


さっきのキスのせいで思考がイマイチうまく働かない。


よく分からず、言葉に詰まっていると、光琉は少しだけ体を離して、私を見つめた。




「“フリ”じゃなくて、本当の彼女になれよ、紗姫…。」


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