王子様の危険な恋愛領域
「ひ、光琉…?」


小さな声で名前を呼ぶ。


強い眼差しに捕らわれて、目を逸らせずにいると、光琉が口を開いた。



「悪いけど、もう…限界だ。」


「えっ…」


何が…?


そんな疑問が頭を過ぎった瞬間、私の唇に触れた温かいもの。


「……っ…」


光琉の唇だった。


優しく啄むような口付けに、加速していく鼓動。


ゆっくりと光琉の唇が離れると、私の顔は焼けそうなほど熱くなっていた。


「い、今のっ……」


「まだ、紗姫の唇…奪ってなかっただろ?だから、今…奪いたくなった。」


フッと笑った光琉は、私の唇をスッと指でなぞる。


その温もりにピクリと反応すると、私を引き寄せてギュッと抱きしめた。


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