Samsara

死神は

百三十年前のリーゼルを

狂愛していたのだ。


独り占めしたいほど…

百三十年前のリーゼルを

愛していたのだ。


「神の使者である・天使は
      恋をしては いけない。
 恋をすると…天使は、神の使者としての力を失う。」


神の使者としての力を失う=不老不死では なくなる。


「例え、神の使者としての力を失っても…
        天使に、自殺は 許されない。
 だから、私に 殺される事を
        百三十年前のリーゼルは 望んだ。」


死神は、話し続けた。


爆発の時、自分は ギリギリ生きていたから

リーゼルを殺してあげようとした事。


沢山の人々を殺した・リーゼルを

自分が殺せば

人々のリーゼルへの、殺人者呼ばわり は

少しで無くなると思った事。


百三十年前の人間の姿であった・死神は

自分が 犠牲になろう としていたのだ。


大切な

大切な

リーゼルの為に…。


リーゼルを殺すと

自分が殺人者呼ばわりされる事も

分かっていながら…。


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