シンデレラのSweetなお時間

ten






『好きな人の下着姿なんて、写真に撮らせないもん』





その言葉に

自分の立場を改めて知った日



私はモデルだけど、決して彼の特別じゃない

そう思う度に心は痛む

それまでの幸せが嘘のように

痛くて、苦しくて



(…呼吸が、つらい)



そんな気持ちでも毎日は過ぎ、仕事納め、年末年始、仕事始め…と新年を迎えたオフィス



にぎやかな先輩たちに、真面目な彼、そして端でパソコンをカチカチと打つ私。

変わらない光景の中、一つだけ変わったものといえば





「安藤、これを入力頼む」



「…はい」



書類を手渡す玲二さんに、私は静かに紙を受け取ってはそっけなくデスクへと戻る。



< 212 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop