本当の俺を愛してくれないか?
そう言ってまた顔をあげた小林さんの頬に、そっとキスを落とす。


ずっと触れたくて堪らなかった。


そのまま彼女の身体を抱き寄せた。


「えっ!わっ!もっ、最上部長っ!?」


想定外だったのか、俺の腕の中で動く。


「もう少しこのままでいさせてよ。...ずっと触れたかったんだから」


「最上部長...」



彼女の動きは止まって。そして聞こえてきたのは早く動く心臓の音。


「俺にとって小林さんは、菜々子以上の存在なんだ。...もう別に周りに何て言われても構わない。小林さんがいてくれれば、それだけでいい」


愛しくて、抱き締める腕に力が入る。


表情豊かで真っ直ぐで。
そばにいるといつも一緒に笑っていられる。
そんな彼女がそばにいてくれたら、周りになんていわれようと、どう思われようと構わない。


「嘘...。だって、最上部長は菜々子さんが好きで...」


「それ以上に小林さんが好きなんだけど?」


そっと彼女を離し顔を覗き込むと、彼女は顔を真っ赤にさせていた。

そんな彼女がやっぱり可愛くて愛しくて仕方なくて。


思わず笑ってしまう。


そしてそんな彼女の耳元でそっと囁いた。





「こんな俺だけど、愛してくれますか?」



end
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