【完】お人好しな彼に、恋をしました。
ほんの一瞬。
瞬きするまでの間くらいだったかもしれない。
彼の表情は、笑顔ではなかった。
むしろ、何かやらかしてしまった時にでもするような、バツが悪そうな顔で。
「ハール!今日の昼飯何にするー?」
「え、そうだな……って、まだ9時だけど」
廉夜くんと話す彼は、いつもと変わらない表情で。
もしかしたら、私の見間違えだったのかな?
一瞬だったもん。
気のせいかもしれない。