セーブポイント
高校にあがった僕はふと、あの時の女の子の話を思い出していた。
ふしぎな体験だったな。いまでも、鮮明におぼえている。この国の人じゃないような青い目をしてた。

どうしたの、と彼女が聞いた。僕は笑って、なんでもないよ、と言った。
「他の子のこと考えてたの?」「さあね」
「変なの」彼女はちょっと笑った。

他愛のない会話が、うれしかった。
すべてがまぼろしのように思えた。そして、怖かった。
いまが人生で最高のときだとしたら、ここから先は・・・

これから起こる幸せを、もう一度やりなおしたい。
僕は「ここでセーブしたい」と強く念じた。
< 2 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop