これが、私の普通
私は今、幸せです。


決して父親の「してきた事」と同じ事をしない父親になろうと、心に誓っている。


しかし、自分では気にもかけていない事だと思っていても、一度植え付けられたあの時の恐怖心は、22歳になった今でも、不眠症というカタチで、たまに表れるのだ。


おそらく頭の片隅に、父親に対する嫌悪感、憎しみ、嫉みが、まだ残っているのだろう…。

なんとも皮肉なものである。


しかし、唯一の幼なじみである女性「瞳」に言われた一言に、私の頭の中で何かが動き、変わったのだ。

瞳と私は、幼稚園から中学まで同じ学校に通っていた。
高校からは別々の学校になり、会う事も、連絡をとる事も、一切なかった。
連絡先を知らなかったからだ。

しかし、とあるSNSサイトを通じて、連絡先を交換しあい、再会する事になった。

実に8年振りの、再会であった。

しかし、幼なじみという関係からか、8年の時間を感じさせない程、自然体な2人だった。


瞳は私に、
「何年も連絡をとっていなくても、大切なものは何も変わらないよ。
私たちだって、何年も連絡とってなかったんだし。」
と、言ったのだ。


聞く人によっては、ただの言葉に過ぎないだろう。
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