これが、私の普通
動揺を隠しきれずに、
「な、なんで…?」
と質問をしてしまった。

母親にも父親にも、一度も携帯電話が欲しいなんて話はしていなかったのだ。

父親の話によると、昼間に我が家に帰ってきて、私の部屋のドアが開いてる事に気付き、テーブルの上に開いたままの携帯電話のパンフレットを見付け、買ってきたのだと言う。

正直、欲しかったから素直に嬉しかった。
でも一つ気になる事があった。

月々の支払いはどーするのか…?

分からないまま父親に聞けず、母親からもらってた月々3,000円の小遣いを父親の部屋に置いていく事にした。

しかし…

次の月、またお金を置いておかなければと思い父親の部屋に入ると、お金はそのままになっていた。

家族を捨て、出ていった事に対する償いなのかどうか、今でも分からないが、気分は優れなかった。


ある日私は、携帯電話ショップに行き、引き落とし口座を自分の口座に変えてもらい、新規で機種も変える事にした。

父親の携帯電話番号は知っていたので、電話して番号が変わった事と、引き落とし口座を変えた事を伝えた。


数日後、また父親の姿が我が家から消えた。
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